私の中にはいつの頃からか天の邪鬼が住みついて、
普段はおとなしくしているのに肝心な時になるといつも私の生き方の主導権を握ってしまう。
小学生の頃鉛筆の上先に小刀で頭の形を彫る遊びから始まり、中学では木片に顔を刻んだ。
それは骸骨への興味となり、高校では能狂言面の形や人の顔を実物大で彫った。
デッサンと絵画を勉強して美術大学で彫刻を学び、
その後現代彫刻作家として開かれた道を目前にした時、
それに背を向け面の世界に戻ってきたこともその天の邪鬼の仕業である。
―― 中略 ――
改めて思い返せば私の人生、すっかり天の邪鬼のものになってしまったようである。
大塚亮治「面の世界」あとがき より
1967 多摩美術大学彫刻科を首席で卒業 石彫・木彫の2点が二科展に出品、入選
1968 二科展出品入選
1969 毎日現代日本美術展コンクール部門最高賞受賞
1984 静岡県の依頼により神楽面5面を制作
1990 【個展】「能面展」 ―― 静岡浜岡カルチャーフロア
1991 【個展】「能面展」 ―― 東京渋谷ギャラリー6
1992 ● ドイツ・ハイデルベルグ民俗学博物館収蔵の古能面修復を依頼される。
● 川村文化振興財団より「川村賞」を受賞
1993 【個展】「能面展」 ―― 静岡市しずぎんギャラリー四季
1994 ●【個展】「新作面展」 ―― 東京銀座かねまつホール
● 国際交流基金日本美術品修復技術者養成事業により、
ハイデルベルグ民俗学博物館収蔵古能面修復のためにドイツに派遣される
1995 ●【個展】「能面展」 ―― 東京ドイツ文化会館
●【企画展】「新作能の流れ」に創作面『リア王』が招待出品、展示される
―― 国立能楽堂
1997 ● 野村万之丞氏より2001年上演予定「真伎楽」のための
伎楽面23面を依頼され、制作に入る
● ジャパン・ソサエティ、国際交流基金主催「世界の中の日本演劇展」
能楽部門に『リア王』『マクベス』が招待、出品される(ニューヨーク展・ミュンヘン展)
1998 ● 同ミュンヘン展の招きにより渡独、能狂言面について講演
(ミュンヘン市ヴィラシュトック美術館)
●【個展】「創作面展」 ―― 京都文化博物館
1999 ● 第8回日本顔学会にて講演 ―― 早稲田大学国際会議場・井深ホール
●【個展】「大塚亮治の面展」 (ドイツにおける日本年公式プログラム)
―― ドイツ・バッド・ゼッキンゲン Kulturhaus Villa Berberich
● 同展にて現地仮面マイスターのためのワークショップを開催し技術指導を行う
● 読売新聞社主催「大顔展」に創作面7面が招待出品される
―― 国立科学博物館
2000 ● 第1回島田市芸術文化奨励賞受賞
● 「真伎楽」のための伎楽面23面を彫り終える
● フランス国営TV&モナリザプロダクション共同制作ドキュメンタリー番組
「Squatters-Wildlife on Man」に出演
●【企画展】「創作の軌跡をたどる―大塚亮治の面展」―― 清水市民文化会館
2001 ●【企画展】21世紀子供のための美術展「ココロの形・カタチの心」に
童2面が招待出品される ――― 新潟県立近代美術館
● 京都薪能初の新作能「犀龍小太郎」のために、
作者・青木道喜氏の依頼により、能面『龍母』、狂言面『鮒』『鯉』『虹鱒』 の4面を制作。観世流能楽師:片山清司氏、大蔵流狂言師:茂山七五三・逸平 氏等によって演能され好評を得る ――― 京都平安神宮
2002 ● 元旦に放送されたNHKスペシャル「伎楽」にて、
制作した伎楽面が紹介される
● 【企画展】「おもて―大塚亮治の面展」―― 山形県米沢市上杉博物館企画展
● 岡山市立オリエント美術館主催の企画展に伎楽面を招待出品
● 作品集 「大塚亮治 面の世界」を出版(文芸社刊)
2003 ● 国民文化祭(山形県)の黒川能(国重要無形文化財)公演では、能「鐘巻」にて
創作面『焔』が使用され、その後納める
2004 ● 黒川能に伝わる古面の調査・研究のため、黒川に滞在
『乙』の復元、『飛出』の写し、創作面『土蜘蛛』を制作。
3面がこの年に王祇祭などで使用される
2005 ● 黒川能に伝わる古面の調査・修復・研究するために黒川に滞在する。
『飛出』を納める
● 島田市合併記念事業として新作能「犀龍小太郎」が地元・島田市にて演能され
好評を得る
2006 ● 作品常設展示場ギャラリー『師友』を開設する
● 【個展】―― 落合楼村上
● 早稲田大学の依頼により講演
● 【個展】―― 銀座かねまつホール
2007 ● 【個展】―― 落合楼村上
● 【個展】―― 京都文化博物館
● 【個展】―― 静銀ギャラリー四季(静岡、島田)
● 黒川にて調査・修復・研究
● 江戸里神楽 若山胤雄社中(国指定重要無形民俗文化財)に『十六』『飛出』を納める
2008 ● 黒川にて調査・修復・研究
● 黒川能へ『猿』2面を納める
● 【二人展】「面と型染め」展
―― 静岡カントリー浜岡コース カルチャーフロア
2009 ● 笹間神楽の依頼で神楽面を2面納める
● 黒川能へ『土蜘蛛』を納める
2010 ●【個展】―― 京都文化博物館
●【個展】―― 静銀ギャラリー四季(島田)
2011 ●【二人展】―― 浜岡カルチャーフロア
●【個展】―― 熊本市風流ホール
2012 ● 木像「母子像」を沼津市あしたか保育園のために制作
2013 ● 能楽師 青木道喜氏の復曲能「泣不動」のため「泣不動」を創作。
京都市浄清華院で演能。
2014 ● ブロンズ像「伝えゆくもの」を依頼され宮城県東松山市津波石に設置
●【百面創展】(生徒との百面展示会)―― 東京かつしかシンフォニーヒルズ
2015 ● 獅子頭制作 宮城県女川町伝統芸能獅子舞復活のため制作
●【百面創展】―― 京都文化博物館
● 木像「守護神」を個人の依頼で制作
2016 ● ブロンズ像「走る少女」を依頼され制作。宮城県石巻市に設置
● 木像「胸像」を個人の依頼により制作
●【百面創展】―― 静岡県立美術館
2018 ●【百面創展】―― 東京かつしかシンフォニーヒルズ